月の桂酒造について
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1675年に創業されてから京都・鳥羽街道の同じ場所に340年以上、月の桂は蔵を構えてます。
江戸時代に米や酒を扱う「増田徳兵衛」「米屋弥兵衛」の屋号で商店をされてました。
「月の桂」は江戸時代後期にご縁のあった公家・姉小路有長が詠んだ歌にちなんでいるようです。
現在の建物は鳥羽伏見の戦いで焼け落ちた後に建て直され、150年経った蔵です。
月の桂といえば、やはり「にごり酒」ですよね!
約56年前の東京オリンピックの年…酒税法で禁止されたどぶろくが懐かしくなり、先代の13代目が「にごり酒」を開発したようです。
どぶろくをザルで濾して絞るという手法を編み出し、なんとか国税庁に認めてもらい、今の「にごり酒」という新ジャンルを立ち上げました。
近年では低アルコール酒の開発の着手や、京都の酒米である「祝」の米栽培などに取り組んだりされてます。
酒蔵見学へ
お話を伺ってた母屋の道を挟んだ向かいの大きい門の様な入口を抜けると、すぐにお米を蒸すスペースにつながってました。
ここでどんな風に日本酒が造られているのか…ワクワクしてきます!
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こしき
地面に空いた穴からバーナーで火を起こし、穴の上に釜を置いて米を蒸していきます。
蒸米は放冷機に入れて冷まします。
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麹室
蒸米を持ってきて、種麹をふりかけ、1日寝かします。
次の日に様子を見て移動させて別のフネに移して1日寝かして、米麹の完成となります。
一度に作って悪くならないように、米麹は少量ずつ丁寧に作っているそうです。
発酵タンク
もろみを発酵させている部屋は上から様子を見れるようになっており、涼しく温度調整されています。
にごり酒はこの発酵タンクのもろみをザルで濾していきます。
(ザルの目が頻繁に詰まるので、掃除が大変なんだとか)
濾した後、バランスよくなるように瓶詰めをされているそうです。
古酒の貯蔵部屋
2階から横へ渡っていくと、屋根裏部屋の様な部屋に繋がってました。
こちらの部屋では古酒がのカメに入って眠ってました。
古酒の眠っている部屋は古酒の匂いと博物館の様な雰囲気でした。
こちらの古酒は一定期間寝かしたものを開封して混ぜ合わせて瓶詰めされているようです。
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試飲へ
酒蔵を見学をした後はカウンターで利き酒をさせていただきました。
こちらのカウンターは薄暗い中、天窓から光が差し込みオシャレな雰囲気のカウンターでした。
今回は…
にごり純米
月の桂の元祖である「にごり酒」。
口に含むと、まず一般的な日本酒にはない「パチパチ感」に驚かされる。
火入れをしてない、にごり酒なので微発泡なのである。
味はフルーティで甘口だが、微発泡だからか甘ったるくはなく、スッキリ味わえる。
米の食感なども少し残っているので「米感」も楽しめる。
稼ぎ頭
口に含むと、爽やかでフルーティーな香りを感じる。
味は爽やかな甘口の印象。
山田錦で仕込んだ純米酒…と聞いてイメージする日本酒とは全く違うので驚いた。
アルコール度数も低く、とても飲みやすい。
食事に合わせるより、お酒そのものを味わいたい。
柳
口に含むと華やかな柑橘系のフルーティな香りと旨味が口に広がる。
食事中に口をリフレッシュしてくれる風味。
食事にももちろん合うが、日本酒そのものも楽しめる。
平安京
京都の酒米「祝」で仕込んだ純米大吟醸。
スッキリ爽やかな味わいだが米の味もしっかり味わえる日本酒。
甘口だが上品でスッキリとした後味なので食事にも合わせやすい印象。
吃驚仰天
ボトルを見た時に今までの「日本酒」とは違う印象で驚いた。
水色の小さめな可愛らしいボトル…お祭りで飲むラムネのような感じ。
一口飲むとラムネと同じような発泡感で口の中がスッキリ爽やかになる日本酒。
低アルコール度数なのでジュースのように飲めてしまう。
おまけ(梅酒)
数量限定で仕込まれた梅酒。
梅の香りが高くスッキリとした甘さ。
なんと金箔が入っているので華やかでキラキラしていてパーティやお祝いの席で大活躍しそう。
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まとめ
酒処・伏見の中でも古い歴史のある月の桂。
蔵の雰囲気やカウンター、そこで造られる日本酒、ボトルのデザイン、ネーミングセンスなどから遊び心が感じられました。
歴史文化を守りながらも色んなことにチャレンジして新しい風を吹かせる…そんなワクワク感と期待を感じられる日本酒ではないでしょうか。
味や風味も旨味とスッキリ感がうまくコントロールされた、上品で甘口の「伏見のお酒」らしい日本酒です。
京都日本酒体験では伏見の日本酒の利き酒が体験できます。
もちろん月の桂の日本酒も試飲できますよ。
同じ伏見の日本酒でも味も風味も違うので、色んな個性を持った日本酒を楽しめます。
京都へ来られた際はぜひ参加して、日本酒への知識を深めて、お気に入りの日本酒を見つけてください!