今回の飲み比べでは、5種類の貴醸酒を飲み比べてみました。
なかなか飲む機会の無い日本酒の種類なので、どんな風に違いがあるのかワクワクします。
では、貴醸酒とはどんなお酒なのでしょうか?
純米酒や大吟醸酒は聞き馴染みがありますが、貴醸酒はあまり聞いたことがない方も多いでしょう。
まず始めに、貴醸酒というお酒がどのように造られているのかをご紹介します。
貴醸酒とはどんなお酒?
貴醸酒とは簡単に説明すると、原材料の一部に日本酒を使用した、日本酒で醸した日本酒です。
通常の日本酒造りでは、原材料に米、米麹、水(ラベルの原材料欄では省略されている)を使います。
しかし、貴醸酒では水の代わりに既に出来上がった日本酒を使用するのです。
実際にラベルを見てみると、原材料欄に清酒や日本酒と記載されています。
貴醸酒はワインで言えば、ポートワインなどの酒精強化ワインと同じで、
アルコールを加えるため発酵中のアルコール濃度が通常よりも高くなります。
酒で酒を仕込むため、水を入れるよりも味わいは濃く深くなり、甘味が強く、酸度も高くなるのが特徴です。
どの種類の日本酒を、仕込みのどのタイミングで、どれくらい使用するのかは規定がなく、レシピはその酒蔵でそれぞれ違うため、とっても奥の深い日本酒なのです。
では、早速飲み比べしていきましょう。
貴醸酒5種類の飲み比べ
①笑四季 貴醸酒モンスーン 吟吹雪(滋賀)
- 使用米:吟吹雪
- 精米歩合:50%
- アルコール度数:17度
『飲み比べノート』
香りにはあまり色がなく、少しツンとしたアルコールを感じる。
想像していた貴醸酒の甘さとは裏腹に舌にピリッとくる辛みが甘みといい具合に調和している。
上品な甘みと、コクはくどさが無く癖になる味わい。
②談山 貴醸酒(奈良)
- 使用米:キヌヒカリ
- 精米歩合:60%
- アルコール度数:16度
『飲み比べノート』
鼻に抜けるコクのある香りはコーヒーや焦がしキャラメル・スパイスを思い浮かべる。
口に含むと、とろりとした甘みは濃厚で、まるでハチミツを舐めているかの様。
2年古酒を加えているからこその熟成された甘みはしっかりとしたコクを生んでいる。
この貴醸酒と古酒のコンビは他では味わえない。
③出羽桜 貴醸酒 SWeeeeeT(山形)
- 使用米:国産米
- 精米歩合:50%
- アルコール度数:17度
『飲み比べノート』
スッキリとした程よい甘さが際立つハチミツの様な味わい。
精米歩合50%による米の甘みとフルーツの様な酸みがバランスよく、甘酸っぱくて飲みやすい。
そのままでも、もちろん美味しいがオン・ザ・ロックにしたり、炭酸を入れて暑い夏の日にゴクゴク飲みたい。
④ブラックスワンⅡ ザ・ダークフェニックス(京都)
- 使用米:ミルキークイーン
- 精米歩合:60%
- アルコール度数:12度
『飲み比べノート』
今まで味わったことのないような濃密で味わい深い甘酸っぱさが口いっぱいに広がる。
黒麹仕込みならではの、香ばしい香りは焦がし醤油やメープルシロップの様にも感じる。
甘さだけではない、程よい酸が甘みを引き立てて、とてもバランスが良い。
スイーツに負けないこの甘さ食前酒または食後酒として楽しみたい。
⑤花巴 水酛×水酛(奈良)
- 使用米:奈良県産米
- 精米歩合:60%
- アルコール度数:16度
『飲み比べノート』
蔵のこだわり水酛仕込みの乳酸発酵そのものを感じる、刺激的な香りと味わいが特徴。
ヨーグルトやサワークリームなどの乳製品に似た酸みと、ラムネの様な甘みがある。
酸味・辛味・甘味・旨味・苦味などの複雑さは表現するのが難しいほど。
一度ハマったら抜け出せなくなるような中毒的な味わい。
まとめ
あまり飲み慣れない貴醸酒でしたが、思った以上にはっきりとした違いがありどれも個性的でした。
やはり甘さが特徴的なので、食後にデザート酒として飲むとピッタリです。
みなさんも貴醸酒を見かけることがあれば、是非試してみて下さい。
新しい出会いがあるかもしれません。
最後に・・
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