日本酒にも季節がある！~春夏秋冬~ 四季を愉しむ日本酒の魅力

皆さんは日本に住んでいて、四季が素晴らしいと感じたことが一度はあるのではないでしょうか？季節に合わせて食材や器を選んだり、衣替えや模様替えをするのと同様に、日本酒も生活の中で季節と共にその魅力を変え、楽しまれているのです。

今回は春夏秋冬、それぞれの季節でどの様に日本酒が変化するのか、また季節ごとの呼び方とその味わいを紹介します！

日本酒の１年

まず、日本酒が１年を通してどのように造られて出荷されているのかご存じでしょうか？

日本酒は年間で最も寒い時期に仕込む「寒造り」が主流です。

多くの酒蔵は、気温が少し落ち、米の収穫が始まる秋口10月頃に仕込みを始め、暖かくなる春先３月頃にその年の仕込みを終えます。

10月1日が「日本酒の日」とされるのは、酒造りが始まる季節を祝う由縁があります。

その年にできた日本酒は、タンクの中でゆっくりと熟成し、それぞれの季節に合わせて出荷されます。数ヶ月の違いは味わいに変化を生み、その変化を日本の四季と楽しむために

酒蔵は季節によってラベルを変えたり、飲み口や味わいを調整したりと、様々な努力をしているのです。

では、熟成度合いやシチュエーションに合わせて、季節の日本酒を紹介しましょう。

季節による日本酒の呼び方と特徴

季節の移り変わりと同じく日本酒にも

『春酒』『夏酒』『秋酒』『冬酒』と大きく分けられます。

『冬酒』

仕込みが始まり寒さも深まった頃に初めて搾られるお酒を「新酒」と言い、酒造りが行われる季節のみに味わうことのできる、とってもフレッシュな日本酒です。

多くの場合、火入れや加水はされずに搾りたてそのままの味わいが特徴の生原酒が出荷され、日本酒ファンが待ち望んでいる味わいです。

「あらばしり」と呼ばれる搾りの一番最初に出てくる酒は、その名の通り荒々しい味わいとキレが特徴です。

冬酒のもう一つの醍醐味と言えば、やはり燗酒ではないでしょうか。

おでんやお鍋が食べたくなる冬場、暖かい料理と合わせた燗酒は身も心もほっこりさせてくれます。

その他にも、正月の「お屠蘇」、雪を見ながら「雪見酒」とやはり冬場の日本酒はより一層季節を感じさせてくれますね。

『春酒』

仕込みも終盤ですが、まだ寒さは厳しい２月の節分、酒蔵は春の訪れを祝う酒「立春搾り」を節分の日の前夜から朝にかけて搾ります。

搾りたての日本酒はその日のうちに充填され店頭に並ぶのです。

いよいよ桜の季節、お花見をしながら呑むのが『花見酒』です。

冬に搾られたまだまだフレッシュな日本酒は、春を連想させる華やかな香りの吟醸酒や中には酵母の色を活かした鮮やかな「桃色にごり酒」も最近よく見かけます。

『夏酒』

夏になると冬場に搾った日本酒は味わいに多少の丸みが出て飲みやすくなってきます。

暑い季節はグイグイ飲んでしまう様な爽やかな日本酒が人気で、低アルコールのものや、あえてオン・ザ・ロックで飲むのタイプは特に夏らしいですね。

炭酸ガスが効いたシュワシュワの「スーパークリング酒」は喉越し抜群で喉の渇きを癒してくれます。

『秋酒』

食欲の秋、秋刀魚やキノコ・栗など旨味がある食材が食べたくなりますね。

そこで登場するのが『秋あがり』です。

夏を越して秋頃に酒に旨味がのり、程よく熟成された状態から秋あがりと言います。

また、秋あがりは通常２回行う火入れのうち、貯蔵前に１度目のみを行い、２度目の火入れを行わずに常温を意味する「冷や」のまま卸す（出荷する）ことから「ひやおろし」とも呼ばれます。

まとめ

今回ご紹介した季節による日本酒の違いと楽しみ方で日本酒の魅力を感じて頂けたでしょうか？古い時代から人々に親しまれてき日本酒は日本人の四季を愉しむ心にピッタリですね。

皆さんも季節のお祝い事やシチュエーションに合わせて、日本酒を選べば更なる魅力と出会えるはずです！

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