全国の酒造好適米トップ10!

日本酒の造りに欠かせないお米。みなさんは日本酒造りに専用のお米があるのを知っていますか?私たちが普段食べるお米は飯米と言いますが、日本酒造りに使用されるお米を『酒造好適米』と言います。

全国それぞれの都道府県でその土地と気候を生かして栽培した酒造好適米を使って、日本酒造りをしているのです。

品種改良や新種開発により新しい種類の酒造好適米が誕生していて、今ではその数約120種類と年々増えています。

今回はその100種類以上の中から、知名度や生産量などの点から押さえておきたいトップ10をピックアップしてご紹介します!

たくさんの種類がある酒造好適米
もくじ

酒造好適米って飯米とどう違う?

まず、酒造好適米は飯米と比較して具体的に何が違うのでしょうか?

①米粒が大きく砕けにくい

家庭で食べるお米は約90%の精米歩合ですが、通常、日本酒造りでは精米歩合が75%以下のお米が使用され、飯米よりも多く削る必要があります。

また精米時は米粒には熱が加わり、とても割れやすくなるため、やはり粒が大きくて精米しても砕けにくい方が酒造りに向いているのです。

③心白がある

心白は米粒の真ん中に見える白い部分のことを言い、酒造好適米に見られます。

これは中央のでんぷん質部分の隙間に光が反射して白く見えるからなのです。この隙間に麹菌が入り込み発酵力の強い麹ができ、醪中で溶けやすくなります。飯米では心白はあまり見られません。

④タンパク質が少ない

玄米中に7〜8%含まれるタンパク質ですが、このタンパク質が多いと出来上がった酒にアミノ酸が増えて、雑味につながることから、低タンパク質が好ましいのです。

押さえておきたい酒造好適米トップ10

山田錦

酒米の王様と呼ばれる山田錦は全国で1番多く生産される。山田穂と短稈渡船との掛け合わせ。大粒で麹造りに特に向いていて、多くの酒蔵が山田錦を使って酒造りをしている。全国生産の半分以上は兵庫で栽培され、特A地区と呼ばれる地域で栽培される山田錦は最高品質と言われる。

五百万石

新潟を主に富山・石川・福井の北陸地方で栽培される生産量が2番目に多い品種。2000年頃までは山田錦よりも多く栽培されていた。米質はあまり高精米には向いておらず、クセのないキレ味の淡麗な酒に仕上がるのが特徴。

美山錦

長野県農事試験場で、たかね錦に放射線処理をしたことによって突然変異し誕生した。山田錦・五百万石に次いで生産量が多い品種で、寒冷な地域でも栽培しやすいことから、長野を含む東日本が主な産地である。爽やかで軽快な酒質になるのが特徴。

雄町

酒造好適米の中で最も歴史のある品種で、山田錦・五百万石の先祖に当たる。収穫時期が遅い晩生品種で、背の高い稲が倒れやすく栽培が難しいことから発見された地、岡山が生産量の約95%を占める。酒質はまったりと熟成に向き、密かにファンを集める。

愛山

山田錦と同じく兵庫で栽培され、その品質から酒米のダイヤモンドと呼ばれる。山田錦に劣らないかそれ以上に、米粒が大きく、心白もよく見られる。バランスの良い深い味わいの酒になるが、繊細な酒造りが要されるため希少価値が高い。

八反錦

広島を代表する酒造好適米で、県内のみで栽培される。大粒で心白も大きく、酒質はスッキリと香り高いのが特徴。八反錦以外にも八反系統で八反35号や八反などの種類があり、どれも八反草からの派生品種である。

出羽燦々

山形のブランド酒米として開発された品種で、美山錦と華吹雪の掛け合わせ。美山錦の様に寒さに強く、吟醸造りの県、山形を代表している。出羽燦々を100%使用し、様々な基準をクリアした日本酒のみに、県独自の認定ステッカー「DEWE 33」が貼られる。

京都で野条穂から分離した品種で、府内のみで栽培される。戦後、一時は栽培が途絶えたが、昭和60年代、伏見酒造組合の働きによって、再び栽培されるようになった。吟醸酒に向き、大粒でタンパク質が少ないことから、淡麗で香り高い酒に仕上がる。

越淡麗

新潟で15年の歳月をかけて開発された品種。生産量トップの山田錦と五百万石を掛け合わせて誕生した。両方の長所を兼ね備え、精米歩合40%という高精米にも耐えるのが特徴。名前の通り淡麗、しかし旨味のある酒に仕上がる

吟風

酒造好適米の中では比較的新しく2000年に品種登録された。北海道で誕生した吟風は寒さに強く、芳醇な酒質になる。北海道産の酒造好適米を使用して醸す日本酒造りのきっかけになった品種でもある。

まとめ

酒造好適米はそれぞれ特徴が違い、収穫時期や扱いやすさも変わってきます。全国その都道府県それぞれの地域で栽培されたお米は、違った味わいの日本酒になるのです。

旅行に行った際は訪れた土地のお米で醸した日本酒を呑むのも面白いですね。

最後に

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この記事を書いた人
Momoko

大阪出身の酒ソムリエ(Sake Diploma)
日本酒好きが高じて蔵人として酒造りを経験。日本酒の魅力の多くの人に伝えるため日々活動中。

sake rice

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